店舗のLINE公式アカウントで予約を受けたい——そう考えたとき、最初に突き当たるのが「ラインで予約管理までできるのか」という疑問です。結論から言えば、LINEで予約を受ける方法は3つあり、2026年にはLINEヤフー自身も業種特化のパッケージを投入しました。ただし、使える業種は限られています。この記事では、ライン予約システムの全体像、費用、導入の流れ、つまずきやすい場所までを、2026年8月時点の一次情報で整理します。
LINE予約システムとは(定義と全体像)
LINE予約システムとは、LINE公式アカウントと予約管理の仕組みを結び、利用者がトーク画面から24時間予約を完結できるようにする仕組みです。
LINE公式アカウント単体には汎用的な予約管理機能がありません。そのため、純正の業種特化パッケージを使うか、外部の予約システムと連携させるのが前提になります。予約の受付・台帳の管理・通知までを自動化することで、電話対応の負担を抑えながら来店予約を増やせます。
仕組みを利用者側と店舗側に分けて見ると、流れがつかみやすくなります。利用者は、店舗のLINE公式アカウントに表示された予約ボタンやリッチメニュー(トーク画面下部のメニュー)から予約画面に進み、日時やメニューを選んで予約を確定します。店舗側は、その予約を管理画面で台帳として一元管理し、予約前のリマインドや予約後のフォローを送ります。普段使い慣れたLINEの中で予約が終わるため、利用者にとっては予約のハードルが下がり、店舗にとっては電話対応や手書きの台帳から解放される、という関係です。
Q. LINE公式アカウントだけで予約管理はできますか?
A. LINE公式アカウント単体には汎用的な予約管理機能がなく、予約を受けるには純正の業種特化パッケージか、外部の予約システム連携が必要です。使える仕組みは業種によって分かれます。
導入で何が変わるか(できること・注意点)
予約システムを入れると、24時間の自動受付・台帳の一元化・自動リマインド・顧客データの蓄積ができるようになります。一方で、通数課金と連携の手間が注意点として残ります。
できること
第一に、24時間の自動受付です。営業時間外や深夜でも、利用者が思い立ったタイミングで予約を終えられるため、機会損失を防げます。第二に、予約台帳の一元管理です。複数の経路から入った予約をひとつの管理画面でまとめて把握でき、ダブルブッキングを防ぎやすくなります。第三に、自動リマインドです。予約の前日や当日に通知を自動で送ることで、予約忘れや無断キャンセルの抑制が期待できます。LINE公式アカウントの標準のメッセージ機能には予約に特化したリマインドの仕組みがないため、ここはシステムを入れる効果が出やすい部分です。リマインドの設計はLINE予約リマインドの自動送信手順で詳しく扱っています。第四に、顧客データの蓄積です。誰がいつ何を予約したか、というデータが自動的に貯まっていきます。
デメリットと注意点
いいことばかりではありません。まず、LINE公式アカウントのメッセージは通数で課金されます。予約の確認やリマインドを送るほど通数を使うため、友だちの数が増えるとコストが効いてきます。次に、外部の予約システムと連携させる場合、設定の手間が発生します。予約用のURLを発行してリッチメニューに紐づける、通知の文面を整える、といった初期設定を通しで確認しないと、運用に入ってから穴が見つかります。そして、データが貯まることと、そのデータを再来店の施策に使えることは別の話です。この点は後半で詳しく扱います。
2026年の現在地:LINEはどこまで埋めたか
2026年は、LINEレストランプラスが6月23日に提供を開始し、LINEビューティープラスはヘアサロン業態のみを対象に申込受付を開始する段階にあります。
数年前まで、LINEで予約を受けるには外部システムとの連携がほぼ唯一の方法でした。2026年の現在地は、もう少し複雑です。
LINEレストランプラスは飲食店向けのパッケージで、予約に加えてモバイルオーダー、POSレジ、ハンディ、売上と顧客の管理、配信までを一体で提供します。2026年6月23日に提供が始まりました。LINEビューティープラスは理美容向けで、予約管理、デジタルカウンセリングとカルテ、空席が出たときのアプローチ、予約の一元管理を扱います。こちらは提供元の案内で「現在、本プロダクトはヘアサロン業態のみの提供」とされており、2026年夏頃に申込受付を開始する予定と案内されています。
ここで押さえておきたいのは、対象の範囲です。LINEヤフーのリリースによれば、国内には約45万の飲食店と約38万の理美容サロンがあり、パッケージはこの2つの市場に向けたものです。ビューティープラスはリリース時点でヘアサロンのみが対象で、それ以外の業種は順次カバーする段階にあります。つまりクリニックや歯科、整体、教室、小売といった業種は、現時点ではこれらのパッケージの対象外であり、外部の予約システム連携が引き続き現実的な選択肢になります。
LINEで予約を受ける3つの方法
LINEで予約を受ける方法は、手動運用・純正の業種特化パッケージ・外部予約システム連携の3つです。自動受付ができるのは、後ろの2つになります。
手動運用(チャットで受ける)
LINE公式アカウントのチャットで予約希望を受け取り、店舗側が台帳やカレンダーで空き状況を確認して、手動で返信する方法です。導入コストはかかりませんが、リアルタイムの空き枠管理ができず、ダブルブッキングのリスクと確認作業の負担が残ります。問い合わせのたびにスタッフが対応するため、件数が増えるほど運用が重くなります。予約が1日数件までの小規模店舗であれば、この方法でも回ります。
純正の業種特化パッケージ
飲食店であればLINEレストランプラス、ヘアサロンであればLINEビューティープラスが該当します。LINEの中で予約が完結し、配信や顧客管理とも地続きで扱えるのが強みです。対象業種が限られる点と、月額の費用が発生する点には注意が必要です。
外部予約システムとの連携
予約システム側で発行した予約用URLを、LINE公式アカウントのプロフィールの予約ボタンやリッチメニューに設定し、トーク画面から予約画面へ誘導します。専門的なプログラミングは不要で、管理画面の操作とURL設定だけで導入できるのが一般的です。業種を問わず使えるため、パッケージの対象外の業種でも予約の自動受付を実現できます。外部システムには、業種を問わない汎用型と、美容室・クリニック・整体といった業種に特化した型があります。どの製品を選ぶかはLINE予約システムの比較・おすすめで個別に扱っています。
| 方法 | 仕組み | 向いている業種 | 自動受付 |
|---|---|---|---|
| 手動運用 | チャットで受け、台帳で手動管理 | 予約件数の少ない小規模店舗 | × |
| 純正パッケージ | LINE内で予約・配信・顧客管理を一体運用 | 飲食店・ヘアサロン | ○ |
| 外部システム連携 | 予約URLをボタンやリッチメニューに設定 | 全業種(パッケージ対象外も可) | ○ |
Q. LINEで予約を受ける方法にはどんな種類がありますか?
A. 大きく3つあります。チャットで受けて手動管理する方法、飲食とヘアサロン向けの純正パッケージ、そして全業種で使える外部予約システムの連携です。自動受付には後ろの2つが向きます。
費用の考え方(何にいくらかかるか)
費用はLINE公式アカウントの月額に加えて、純正パッケージなら月額1.4万円から、外部連携なら予約システム側の料金がかかる、という二階建てで考えます。
まずLINE公式アカウント自体の料金です。3つのプランがあり、月額の固定費と無料で送れるメッセージの通数が変わります。
| プラン | 月額固定費 | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーション | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライト | 5,000円(税別) | 5,000通 | 不可 |
| スタンダード | 15,000円(税別) | 30,000通 | 可(従量課金) |
ここに、予約の仕組みの料金が乗ります。純正パッケージのうちLINEビューティープラスは、初期サポート費用が30,000円、月額が年契約で14,000円・月契約で17,500円、スタッフが2名以上在籍する場合の複数スタッフ利用料が11,000円と案内されています。提供開始にあわせたキャンペーンとして、先行予約での初期サポート費用0円、2027年8月までの年契約で月額半額の7,000円、2027年10月まで複数スタッフ利用料0円が用意されており、初年度は通常46,000円相当が最大75%OFFになると案内されています。LINEレストランプラスにも、2026年6月から2027年3月までに2年契約で申し込むと初年度の月額費用が実質0円、2年目が半額になるキャンペーンがあります。外部の予約システムを使う場合は、そのサービス側の月額が別途かかります。
見落とされやすいのがメッセージの通数です。予約の確認、前日のリマインド、来店後のフォローと、1件の予約で複数通を送ることになります。たとえば友だち3,000人に月4回の配信をすると12,000通で、ライトプランの無料枠5,000通は超え、スタンダードプランの無料枠30,000通には収まる計算です。予約に付随する通知はここに上乗せされます。
さらに、2026年10月1日に追加メッセージの料金が改定されます。現在は50,000通まで1通3円、50,001通から100,000通が2.8円、100,001通から1,000,000通が2.6円、1,000,001通からが2.4円という段階制ですが、改定後は20万通までが1通3円、20万通を超える分が1通2.5円という2段階になります。月に5万通を超えて配信している場合は、実質の値上げになるケースがあります。配信の絞り込みや、反応のない友だちの整理といった見直しが必要になる水準です。
Q. LINEで予約を受けるのは無料でできますか?
A. LINE公式アカウントの開設自体は無料で、コミュニケーションプランなら月額0円です。ただし無料メッセージは月200通までで、業種特化パッケージや外部予約システムを使う場合は別途の月額がかかります。
導入までの流れ(4ステップ)
導入は、LINE公式アカウントの開設、予約システムの選定と契約、予約URLの発行と設定、テスト予約という4段階で進みます。
第1段階は、LINE公式アカウントの開設です。すでに運用している店舗はここを飛ばせます。プランは後から変更できるので、まずは無料のコミュニケーションプランで始めても構いません。
第2段階は、予約の仕組みを選んで契約することです。飲食店とヘアサロンは純正パッケージが選択肢に入り、それ以外の業種は外部の予約システムから選びます。ここで業種に合う枠の切り方(席単位か、スタッフの指名か、時間単位か)を確認しておくと、後戻りが減ります。
第3段階は、予約用のURLを発行して、LINE公式アカウントのプロフィールの予約ボタンやリッチメニューに設定することです。あわせて、予約が入ったときと前日の通知の文面を整えます。
第4段階は、テスト予約です。自分のスマートフォンから実際に予約を入れて、利用者に届く通知、店舗側の管理画面への反映、リマインドの送信までを通しで確認します。ここを飛ばすと、運用が始まってから通知が届いていなかったことに気づく、という事態になります。
連携でつまずく4つの場所
つまずくのは、二重予約、通数上限での通知停止、外部連携ができないシステム、電話やWebとの並行運用の4つです。
ひとつ目は二重予約です。予約ページを複数持っていたり、同時に受け付けられる件数の設定を見落としていたりすると、同じ枠に2件の予約が入ります。すでに予約が入っている状態でも次の予約操作が進んでしまい、前の予約が上書きで消える、という不具合が報告されたケースもあります。空き枠の同期がどこまで即時なのかは、契約前に確認したい点です。
ふたつ目は、通知が届かなくなることです。予約の確認やリマインドもメッセージの通数を消費するため、プランの無料枠を使い切ると、それ以降の通知が送れなくなります。予約は入っているのに確認が届かない、という状態は、そのまま無断キャンセルにつながります。
3つ目は、連携そのものができないシステムがあることです。外部との接続口が公開されていない予約システムでは、LINE公式アカウントと自動で同期させることができません。予約ボタンからそのシステムの予約画面へ飛ばすことはできても、顧客データを結びつけるところまでは進まない、という制約が残ります。
4つ目は、電話・Web・店頭を並行して運用しているときの不整合です。電話で受けた予約を管理画面に入れ忘れると、その枠がWebでは空いたままになります。予約の入り口が複数あるほど、どこか1つに集約する運用ルールが必要になります。カレンダーとの同期でこれを防ぐ方法はLINE予約とGoogleカレンダー連携のやり方で扱っています。
そして、これらの多くは初期設定の確認不足から起きます。メニューの構造、通知の文面、枠の設定、決済がある場合はその紐づけまでを、テスト予約で通しで確認することが、いちばん確実な予防策です。
業種・目的別の選び方
飲食店とヘアサロンは純正パッケージ、クリニック・整体・教室などパッケージの対象外の業種は外部連携が現実的な選択肢になります。
飲食店では、席単位でのダブルブッキング防止と、コース予約時の事前決済によるノーショー対策がポイントになります。LINEレストランプラスは予約に加えてモバイルオーダーやPOSまで含むため、注文データと予約を結びつけたい場合に向きます。
ヘアサロン・美容室では、担当スタッフの指名予約と、メニューごとに異なる所要時間の枠調整が必要です。ビューティープラスはこの領域を想定したパッケージですが、対象はヘアサロン業態に限られます。エステやネイルは提供範囲の拡大を待つか、外部システムを検討することになります。純正と外部連携の分かれ目は美容室のLINE予約、純正でどこまで?で整理しています。
クリニック・歯科では、初診と再診で予約導線を分けたい、電子カルテや院内の順番待ちの仕組みと連携したい、というニーズが強くあります。これらは純正パッケージの対象外であり、医療機関向けの機能を持つ外部予約システムの連携が現実的です。運用上の論点はクリニック・歯科のLINE予約システム導入ガイドにまとめています。院内の待ち時間そのものを扱いたい場合はLINE順番待ちシステムの作り方が近い話になります。
では、飲食とヘアサロン以外は結局どれを選ぶのか。答えは「業種特化の外部予約システムがあるならそれ、なければ汎用型」です。整体・整骨院なら回数券の管理と次回予約の促進、教室やスクールなら振替とキャンセル待ち、動物病院なら診療科と担当の指定というように、業種ごとに必要な枠の切り方が違います。汎用型でも予約は受けられますが、この業種特有の処理を手作業で埋めることになります。業種ごとの具体的な違いは【業種別】LINE予約システムの選び方と活用法で扱っています。
予約管理とCRMは別物
予約管理は予約を受けて記録し通知することを指し、CRMは顧客を分析して再来店とLTVの向上につなげる仕組みを指します。この2つは別物です。
2026年のパッケージ投入で、予約を受けて台帳に記録し、通知するところまでは、かなりの部分が埋まりました。ただし、カルテや予約履歴を記録できることと、その顧客データを横断的に活用できることの間には、まだ距離があります。
飲食店を対象にした調査では、LINE公式アカウントの運用課題として「既存客のフォローができていない」が44.2%、「予約やポイントの機能が足りない」が30.3%という結果が出ています。予約は受けられているのに、その後が続かない、という状態です。データが貯まっていても、それを分析して次の一手に回す人と時間がなければ、記録は記録のまま終わります。
この差が出るのは、来店後です。前回いつ来たか、何を選んだか、どのくらいの間隔で来ているか——こうした情報を使い分けて配信できるかどうかで、同じ友だち数でも再来店の数は変わります。2026年10月の料金改定で一斉配信のコストが上がることを考えると、全員に同じ内容を送る運用は、この先ますます割に合わなくなります。自動応答と組み合わせた接客の設計はLINE自動返信の作り方で扱っています。
エールス(Yells)という選択肢
予約管理の先まで設計したい、というときの選択肢がエールス(Yells)です。LINE公式アカウントの運用を、予約・AI接客・配信・料金の最適化までまとめて扱えます。
予約を受けるだけでなく、蓄積した顧客情報をデータとして扱い、次の施策に回すところまでを一つの基盤で行えるのが特徴です。予約・配信・顧客管理を別々のツールで継ぎ接ぎするほど、コストと手間はかさみます。無料から使い始められるため、まずは小さく試して、必要に応じて広げていくことができます。
よくある質問
Q. LINE公式アカウントだけで予約管理はできますか?
A. できません。LINE公式アカウント単体には汎用的な予約管理機能がないため、純正の業種特化パッケージか、外部の予約システムとの連携が必要です。
Q. LINEで予約を受けるのは無料でできますか?
A. LINE公式アカウントの開設と月額0円のコミュニケーションプランまでは無料ですが、無料メッセージは月200通までです。業種特化パッケージや外部予約システムには別途の月額がかかります。
Q. 導入までにどのくらいかかりますか?
A. LINE公式アカウントがすでにある場合、外部予約システムとの連携は予約URLの発行と設定が中心なので、数日から2週間程度が目安です。純正パッケージは申込と初期設定のサポートが入るため、提供元の案内に沿って進めます。
Q. 飲食店やヘアサロン以外でもLINEで予約を受けられますか?
A. 受けられます。純正の業種特化パッケージは飲食とヘアサロンが対象ですが、外部予約システムとの連携は業種を問わず使えます。
Q. 予約管理ができれば、CRMもできていることになりますか?
A. なりません。予約管理は予約を受けて記録し通知することで、CRMは顧客を分析して再来店やLTVの向上につなげる仕組みです。記録できることと活用できることは違います。
参考情報
本記事の料金と提供状況は2026年8月時点で確認したものです。最新の内容は各提供元の案内をご確認ください。
- LINEヤフー株式会社 ニュースリリース「飲食・理美容業界特化のパッケージサービス『LINEレストランプラス』『LINEビューティープラス』を2026年6月(予定)より提供開始」(2026年2月)
- LINEヤフー for Business「LINEレストランプラス」
- LINEヤフー for Business「LINEビューティープラス」
- LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」および追加メッセージ料金改定の案内(2026年10月1日適用)