TOPコラム / LINE CRM・リピート集客

LINE CRM・リピート集客

LINE CRMとは?無料でできる顧客管理とCRMオプション・ツールの選び方

YYells 編集部 2026.09.11
LINE CRMとは?無料でできる顧客管理とCRMオプション・ツールの選び方

LINE CRMとは、LINE公式アカウントを顧客との連絡手段と顧客台帳の両方に使い、友だち一人ひとりの情報ややり取りの履歴をためて、その人に合わせた連絡を送る顧客管理のやり方です。無料の標準機能でもタグとノートで始められますが上限があり、LINEヤフー公式の「CRMオプション」(2026年6月提供開始)や外部ツールで、記録と自動配信の範囲を広げます。ここでは、LINEヤフーの公式マニュアルと規約に書かれている範囲で、どこまでが無料で、どこからがCRMオプションや外部ツールの領分かを整理します。

この記事でわかること

  • 無料・チャットPro・CRMオプションの境目: 無料のチャットのタグは作れるのが5個まで、1人に付けられるのは1個までです。どこで止まるかを1枚の表にまとめました。
  • CRMオプションが使えない条件: 月5,000円(税別)で顧客台帳と自動配信が揃いますが、友だち数が10万人以上のアカウントや、チャットPro・Beautyオプションと同時に契約しているアカウントでは申し込めません。
  • ツールの4タイプと、導入前に決める3つ: 配信を広げたいのか、予約や来店の記録まで1か所に持ちたいのかで、選ぶ道具が変わります。
TOC
  1. LINE CRMとは|LINE公式アカウントを連絡手段と顧客台帳の両方に使うやり方
    1. 友だち追加だけでは、名前も電話番号も分からない
  2. 無料の標準機能でできる顧客管理と、その上限
    1. チャットのタグとノート|無料はタグ5個・ノート1件まで
    2. タグで分けて送る|チャットタグのオーディエンスと絞り込み配信
    3. 来店後の連絡を自動にする|ステップ配信とショップカード
  3. LINEヤフー公式の「CRMオプション」でできること・できないこと
    1. 使えるのは「認証済み・友だち数10万人未満・Web版管理画面」のアカウント
    2. 来店・予約をきっかけにした自動配信は、CRMオプション単体では組めない
  4. LINE CRMツールの4タイプ|公式オプション・配信拡張・予約一体型・既存システム連携
  5. 導入前に決める3つ|何を記録するか・どこで名乗ってもらうか・誰が見るか
    1. CRMオプションの項目は決まっている。足りない情報はタグで持つ
    2. 名前と連絡先はフォームか予約で本人から受け取り、使い道を先に示す
    3. 外部ツールに預けるなら、見られる人と委託先を決めておく
  6. LINE CRMを始めたあとに効いてくる4つの仕様
    1. ツールを替えても、タグや履歴は自動では移らない
    2. 管理画面の友だち数と、ツールに入っている人数は一致しない
    3. 送る量が増えると、通数の料金が効いてくる
    4. 特定の人の属性を割り出す使い方は、規約で禁止されている
  7. LINE CRMの事例|数字が公開されている4件
  8. 予約・リマインド・顧客台帳を1つで回すなら|エールス
  9. よくある質問
  10. まとめ

LINE CRMとは|LINE公式アカウントを連絡手段と顧客台帳の両方に使うやり方

LINE CRMは、顧客と連絡を取るLINE公式アカウントの中に、その人の記録もためていく顧客管理のやり方です。

CRM(Customer Relationship Management)について、デジタル大辞泉は、顧客ごとの購入や商談の履歴、趣味や嗜好などの情報を一括して管理し、営業戦略に活かす経営手法と説明しています。CRMをLINEとは別のツールで持つ場合、台帳への入力は担当者の作業になり、お客様への連絡はメールや電話といった台帳とは別の道具で行う形になります。

LINE CRMは、この「台帳」と「連絡の場」を同じLINE公式アカウントの中に置きます。友だち追加、トーク、フォームへの回答、予約といったお客様とのやり取りそのものが、記録の入口になります。総務省の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2025年12月実施、13〜79歳の1,800人)では、LINEの利用率は全年代で92.9%、70代でも77.8%でした。連絡手段として届く相手が広いことが、店舗やサロンがLINEを顧客管理の土台にする理由です。

比べる点 一般的なCRMツール LINE CRM
記録の入口 担当者が台帳に入力する 友だち追加・トーク・フォーム回答・予約
連絡手段 メール・電話・訪問(台帳とは別の道具) 同じLINE公式アカウントのトークと配信
名前や連絡先の入り方 名刺や申込書から担当者が入れる お客様がフォームや予約で自分で入れる
向いている事業 法人営業、商談が長い取引 店舗・サロン・教室・クリニックなど、来店や予約が繰り返される事業
表1:一般的なCRMツールとLINE CRMの違いは「記録の入口」と「連絡の場」が同じかどうか

法人営業も含めた顧客管理システム全体の選び方は顧客管理システム(CRM)とは?失敗しない選び方と目的別おすすめツール比較で、CRMという考え方そのものはCRMとは?意味とSFA・MAとの違いをわかりやすく図解で解説しています。この記事では、LINE公式アカウントを使う場合に絞って話を進めます。

友だち追加だけでは、名前も電話番号も分からない

友だち追加で事業者に見えるのは表示名とユーザーIDなどで、本名や電話番号は含まれていません。

LINEの開発者向けドキュメントによると、Messaging APIでユーザーのプロフィールを取得して返ってくるのは、表示名、ユーザーID、言語、プロフィール画像、ステータスメッセージです。ユーザーIDは「U」で始まる33文字の識別子で、LINEアプリの表示名やLINE IDとは別のものです。LINEログインで取得できる情報も表示名・ユーザーID・プロフィール画像・ステータスメッセージで、メールアドレスは別途申請が必要です。

つまり、友だちが300人いても、事業者の手元にあるのは「表示名が付いたIDが300件」です。表示名はお客様が自由に付けたもので、本名とは限りません。氏名や電話番号は、フォームや予約の画面でお客様が自分で入力した人の分だけ台帳に入ります。LINE CRMの最初の仕事は、ツールを選ぶことではなく、友だちに名乗ってもらう場所を作ることです。

Q. LINEの友だち追加で、お客様の名前や電話番号は分かりますか?

A. 分かりません。友だち追加で分かるのは表示名やプロフィール画像などで、表示名は本名とは限りません。名前や電話番号が必要なら、LINE公式アカウントのCRMオプションのフォームや、予約ツールの入力画面でお客様に入力してもらう形にします。トークで一人ずつ聞く方法もありますが、答えてくれた人の分しか台帳に残りません。

無料の標準機能でできる顧客管理と、その上限

無料の標準機能でも、チャットのタグとノートで一人ずつ記録を残せますが、タグは5個、ノートは1件までです。

LINE公式アカウントは、月額0円のコミュニケーションプランでも、チャット画面で友だちにタグを付けたりメモを残したりできます。ただし上限は、有料のチャットProオプションやCRMオプションを付けたときと大きく違います。3つを並べると次のとおりです。

項目 標準機能(無料) チャットProオプション CRMオプション
月額(税別) 0円 3,000円 5,000円(チャットProの機能を含む)
作れるタグ 5個 300個 300件(チャットのタグと同期)
1人に付けられるタグ 1個 30個 30件
ノート チャットルームごとに1件 最大1,000件 最大1,000件
トーク履歴の保存 半年 5年(2024年1月1日以降の履歴) 5年(同)
氏名・電話番号などの項目 なし なし あり(ユーザーリスト)
フォーム なし なし 1,000件まで作成
自動配信のきっかけ ステップ配信(友だち追加・オーディエンス) 同左 同左+オートメーション(フォーム回答・タグ付与・誕生日)
表2:無料・チャットPro・CRMオプションの上限(LINEヤフー公式マニュアル。料金はLINE公式アカウントのプラン料金とは別)

チャットのタグとノート|無料はタグ5個・ノート1件まで

チャット画面のタグは、無料だと作れるのが5個、1人に付けられるのは1個で、ノートは1人に1件までです。

LINEヤフーは2025年3月4日にチャットProオプション(月額3,000円・税別)の提供を始めました。現在の公式マニュアルでは、無料で作れるタグは5個、1人のユーザーに付けられるタグは1個、ノートはチャットルームごとに1件で、トーク履歴の保存期間は半年です。チャットProを付けると、タグは300個・1人に30個、ノートは最大1,000件、履歴は5年保存になります。

無料のまま使うなら、1人に付けられるタグが1個だけという点が設計を決めます。「新規」「リピーター」「休眠」のように、その人がいまどの状態にいるかを1つだけ表すラベルとして使い、施術内容や好みのような細かい情報はノートに書く、という分け方になります。履歴は半年で見られなくなるので、あとで読み返したいやり取りの要点はノートへ移しておきます。

タグで分けて送る|チャットタグのオーディエンスと絞り込み配信

付けたタグは「チャットタグ」のオーディエンスとして使え、その人たちだけに絞ってメッセージを送れます。

LINE公式アカウントのオーディエンスは、配信先の友だちをまとめたリストです。チャット画面で付けたタグからオーディエンスを作ると、メッセージ配信の画面で配信先に指定できます。公式マニュアル(2025年9月1日更新)では、オーディエンスは作成から180日で有効期限が切れますが、チャットタグとウェブトラフィックのオーディエンスは有効期限の対象外です。

配信できる人数の条件はオーディエンスの種類によって違い、性別や年代などの属性で絞る場合にはさらに別の条件が付きます。どの条件で絞り込めなくなるかは、セグメント配信とは?LINE公式アカウントの絞り込み3種と人数条件・やり方で図にしています。

来店後の連絡を自動にする|ステップ配信とショップカード

無料でも、決めた順番と間隔で自動で送るステップ配信と、来店ごとにポイントを付けるショップカードが使えます。

ステップ配信は、開始条件(友だち追加かオーディエンス)を満たした人に、あらかじめ決めた順番と間隔でメッセージを送る機能です。公式マニュアルでは、作れるのは50件まで、1つのルートに10ステップまでで、送ったメッセージは課金対象の通数に数えられます。月の通数の上限に達すると、ステップ配信もすべて止まります。組める形と組めない形はステップ配信とは?LINE公式アカウントでできること・できないことと設定手順にまとめています。

ショップカードは、来店したお客様がQRコードを読み取るとポイントが付き、ゴールや途中の段階で特典を渡せる機能です。初期設定では、同じ人に同じ日に重ねてポイントは付きません。どちらも標準機能の範囲で使えますが、その人の来店日や予約日を起点に自動で送ることはできません。公式の仕組みで来店日や予約日を配信のきっかけにできるのは、レストランオプションかBeautyオプションを契約した場合です。

Q. 無料のLINE公式アカウントだけで顧客管理はできますか?

A. できる範囲はあります。タグ5個・1人1個、ノート1件、トーク履歴は半年という上限の中で、状態のラベルとメモを残し、タグで絞って送ることはできます。氏名や電話番号を項目として持つこと、フォームで情報を集めること、来店や予約をきっかけに自動で送ることは、無料の標準機能だけではできません。

LINEヤフー公式の「CRMオプション」でできること・できないこと

CRMオプションは、管理画面に顧客台帳・フォーム・台帳からの配信・自動配信を足す、月5,000円(税別)の有料オプションです。

LINEヤフーは2026年6月23日、LINE公式アカウントのCRMオプションの提供を始めました。機能は「ユーザーリスト」「フォーム」「ユーザーリスト配信」「オートメーション」の4つで、料金は月額5,000円(税別)、チャットProオプションの機能を含みます。フォーム・オートメーション・リッチメニューの作成まで手伝う初期サポートは任意で、1回20,000円(税別)です。無料のコミュニケーションプランのアカウントでも申し込めますが、LINE公式アカウントの利用料と通数は別にかかります。

機能 できること 主な上限・注意点
ユーザーリスト 氏名・電話番号・メールアドレス・性別・生年月日・住所・職業・タグを1人ずつ持つ顧客台帳 ノート1,000件超・タグ30件超の顧客は統合できない。LINEユーザー同士は統合できない
フォーム 質問に答えてもらい、回答をユーザーリストに入れる フォーム1,000件、1フォームの質問100件、選択肢50件
ユーザーリスト配信 台帳の条件で絞ってメッセージを送る 課金対象の通数に数える。届くのは友だちだけ
オートメーション フォーム回答・タグ付与・誕生日をきっかけに、配信やタグの付け外しを自動で行う 保存は合計5,000件、同時に動かせるのは30件
タグ チャットのタグと同期して台帳でも使う 最大300件。削除すると元に戻せない
表3:CRMオプションの4機能と上限(LINEヤフー公式マニュアル)

使えるのは「認証済み・友だち数10万人未満・Web版管理画面」のアカウント

申し込めるのは、認証済アカウントで、友だち数が10万人未満で、PCのWeb版管理画面から操作できる場合です。

公式のサービスページとマニュアルに書かれている条件を並べると、次のとおりです。

  • 認証済アカウントであること、認証済のビジネスマネージャーと接続していること
  • 友だち数が10万人未満であること(公式ページの表記は「友だち数」)
  • 購入と利用はPCのWeb版管理画面だけ(管理アプリは今後対応予定)
  • 管理者権限を持っていること
  • レストランオプション、Beautyオプション、チャットProオプションを契約していないこと
  • 一部の特別プランや業種カテゴリーではないこと、LINEヤフーが定める対象業種であること

見落としやすいのはチャットProオプションとの関係です。CRMオプションはチャットProの機能を含んでいるため、チャットProを契約中のアカウントは先に解約する必要があり、CRMオプションを購入できるのは解約した翌月1日以降です。すでにチャットProでタグを運用している店は、切り替えの月をあらかじめ決めておきます。

来店・予約をきっかけにした自動配信は、CRMオプション単体では組めない

CRMオプションの自動配信のきっかけは、フォーム回答・タグ付与・誕生日の3つで、来店や予約は入っていません。

オートメーションの公式マニュアルでは、実行のきっかけとして、フォームへの回答、タグの付与、誕生日のほかに、来店、予約のキャンセル、来店予定日、最終来店日が並んでいます。ただし後ろの4つは、レストランオプションかBeautyオプションを契約している場合だけ使えます。そしてCRMオプションは、この2つのオプションとは同時に契約できません。CRMオプションだけで「前回の来店から30日たった人に自動で送る」という組み方はできない、ということです。

CRMオプションの範囲で近いことをするなら、来店したときにスタッフがタグを付け、「タグの付与」をきっかけにしたオートメーションで送る組み方になります。オートメーションは、きっかけから24時間を超えて遅れると失敗扱いになる点も押さえておきます。来店や予約の記録を人の手を介さずに配信へつなげたい場合は、飲食店向けの「LINEレストランプラス」(2026年6月23日提供開始)や、ヘアサロン向けの「LINEビューティープラス」(2026年9月8日正式提供開始)といった業種別のパッケージか、予約機能を持つ外部ツールの領分になります。

Q. CRMオプションは無料のコミュニケーションプランでも使えますか?

A. 使えます。公式のサービスページに、コミュニケーションプランでも利用できると書かれています。ただし、CRMオプションの月額5,000円(税別)とは別にLINE公式アカウントのプランの通数がかかり、コミュニケーションプランの無料メッセージは月200通までで、追加の購入はできません。認証済アカウントであることも条件です。

LINE CRMツールの4タイプ|公式オプション・配信拡張・予約一体型・既存システム連携

LINE CRMの道具は、公式オプション・配信拡張・予約一体型・既存システム連携の4タイプに分かれます。

得意な仕事で分けると、次の4つに整理できます。料金は2026年9月11日に各社の公式ページで確認したもので、税込・税別の表記は各社の書き方に合わせています。

タイプ 代表例と公式料金 得意なこと 向いている事業者
公式オプション LINE公式アカウント CRMオプション:月5,000円(税別) 顧客台帳・フォーム・自動配信を公式の管理画面の中で持つ 友だち数10万人未満で、まず台帳とフォームを持ちたい店
配信拡張 Lステップ:フリー0円〜プロ32,780円/月(税込)
エルメ:フリー無料〜プロ33,000円/月(税込)
シナリオ配信、細かいタグ付け、友だち追加の経路の分析 配信で集客や販売の流れを組み立てたい事業者
予約一体型 リピッテ:初期9,800円+月1,980円〜7,980円(税別)
エールス:Free 0円、Pro 月10,000円(税別)
予約の受付・リマインド・来店の記録が同じ台帳に残る 予約制の店舗・サロン・治療院・教室
既存システム連携 CRM PLUS on LINE(Shopify向け):Free $0〜(税区分の記載なし)
Liny:料金は公式ページに金額の記載なし
ECサイトや自社の会員データとLINEのIDをつなぐ ECや会員の仕組みをすでに持っている事業者
表4:LINE CRMツールの4タイプ(料金は各社公式ページ、2026年9月11日確認。LINE公式アカウントのプラン料金は別)

配信拡張のツールは、LINE公式アカウントの配信を細かく組み立てることが中心です。予約一体型は、予約の受付と前日のリマインド、来店の記録までを1つの画面で持つので、「来店から◯日後」のような連絡の起点を台帳側に作れます。既存システム連携は、ECの購入履歴や会員データがすでに別の場所にある事業者が、それをLINEの配信に使うための道具です。予約一体型の例として、リピッテの料金と向く店はリピッテの料金・評判を徹底解説で、LINEで予約を受ける方法の全体像はLINE予約システムとは?3つの導入方法と業種別の選び方で扱っています。

図解1:どのタイプを選ぶかの判断フロー記録したい情報は、タグ5個・ノート1件に収まるかはい標準機能のままいいえ予約や来店の記録も同じ場所に持ちたいかはい予約一体型いいえECや自社の会員データとつなぎたいかはい既存システム連携いいえ認証済・友だち数10万人未満で、チャットPro・Beauty等を契約していないかはい公式のCRMオプションいいえ配信拡張

Q. LINE CRMツールの費用は、ツールの月額だけで済みますか?

A. 済みません。どのタイプでも、LINE公式アカウントのプラン料金が別にかかります。公式のプランは、コミュニケーションが月0円・200通、ライトが月5,000円・5,000通、スタンダードが月15,000円・30,000通(いずれも税別)で、枠を超えて送れるのはスタンダードだけです。ツールから送った配信もこの通数に数えます。プランの選び方はLINE公式アカウント 料金|無料200通の数え方とプランの選び方で解説しています。

導入前に決める3つ|何を記録するか・どこで名乗ってもらうか・誰が見るか

ツールを選ぶ前に決めておくのは、記録する項目、名前を受け取る場所、見られる人の3つです。

LINE CRMで記録がたまっていく流れは、どのツールを使っても次の図のようになります。

図解2:友だちが顧客台帳になるまでの流れ1 友だち追加分かるのは表示名とユーザーID2 名乗ってもらうフォームや予約で本人が氏名を入力3 タグで状態を持つ新規・リピーター休眠など4 絞って送るタグや台帳の条件で配信する5 来店を記録ノートや予約の履歴に残す記録した内容でタグを付け替え、次の配信へ戻る

CRMオプションの項目は決まっている。足りない情報はタグで持つ

CRMオプションの顧客情報の項目は用意されたもので追加・編集・削除ができないため、足りない情報はタグで持ちます。

公式マニュアル(2026年6月23日更新)には、「顧客情報の項目追加・編集・削除はできません」と書かれています。使えるのは、氏名・電話番号・メールアドレス・性別・生年月日・住所・職業などの決まった項目です。選択肢は1つの項目に50件まで設定でき、選択肢を削除して保存すると、その選択肢が入っていたお客様の値も消えます。同じ名前で選択肢を作り直しても、元の値は戻りません。

「よく頼むメニュー」「担当スタッフ」「来店の間隔」のように項目に無い情報は、タグで表すことになります。タグはアカウント全体で300件、1人に30件までで、削除すると戻せません。タグの名前の付け方を最初に決めておくことが、そのまま台帳の設計になります。外部ツールを使う場合も、自由に項目を足せるかどうかはツールによって違うので、記録したい情報の一覧を先に作り、その一覧で各ツールを比べます。

名前と連絡先はフォームか予約で本人から受け取り、使い道を先に示す

名前や電話番号はフォームや予約で本人に入れてもらい、その画面で何に使うのかを示しておきます。

個人情報保護法第21条は、個人情報を取得したら利用目的を本人に通知するか公表することを求め、入力画面などで本人から直接受け取る場合は「あらかじめ」利用目的を明示するよう定めています。フォームの冒頭に「ご予約の確認と、次回来店のご案内に使います」のような1行を置き、プライバシーポリシーへのリンクを添えるのが確実です。

外部ツールを使う場合は、LINE公式アカウントのAPI利用規約にも決まりがあります。外部のサーバーで取得したお客様の情報は、事業者が自分のプライバシーポリシーに従って扱い、お客様がいつでもそのポリシーを見られるようにすることが求められています(第5条第4項)。

外部ツールに預けるなら、見られる人と委託先を決めておく

外部ツールに顧客情報を置く場合、ツールの会社がその情報を取り扱うなら「委託」にあたり、預け先を監督する義務が生じます。

個人情報保護委員会のQ&A(Q7-53)は、クラウドサービスに個人データを保存する場合について、判断の基準は保存されたデータに個人データが含まれるかどうかではなく、サービスを提供する事業者がその個人データを「取り扱う」かどうかだとしています。取り扱うのであれば委託にあたり、個人情報保護法第25条に基づいて、委託先の選び方・契約・取り扱い状況の把握という監督が必要です。契約で事業者が取り扱わないことが決まっている場合でも、自社として適切な安全管理措置をとる必要があります(Q7-54)。

LINEのユーザーIDそのものを名指ししたQ&Aはありませんが、同委員会のQ&A(Q8-1)は、端末の識別子のような情報でも、ほかの情報と簡単に照合して特定の個人が分かる状態なら個人情報になるという考え方を示しています。ユーザーIDと氏名を同じ台帳に持つLINE CRMでは、台帳全体を個人情報として扱う前提で、スタッフのうち誰が見られるか、どのツールの会社に預けるかを決めておきます。

LINE CRMを始めたあとに効いてくる4つの仕様

公式の仕様と規約で、始めたあとに効いてくるのは、乗り換え、人数の食い違い、通数の料金、禁止された使い方の4つです。

ツールを替えても、タグや履歴は自動では移らない

外部ツールで付けたタグや配信の履歴はそのツール側に保存されるため、乗り換える前に書き出しと取り込みの方法を確かめます。

LINE公式アカウントのAPI利用規約は、外部のサーバーで取得したお客様の情報を、事業者の責任で管理するよう定めています(第5条第4項)。外部ツールで付けたタグ、シナリオ、配信の履歴は、そのツールのサーバーにある情報で、LINE公式アカウントの管理画面に同じものが残るわけではありません。規約は、情報をLINE公式アカウントごとに管理し、別のアカウントで使い回さないことも求めています。

Q. LINE CRMツールを乗り換えると、タグや履歴は引き継げますか?

A. ツールの組み合わせ次第です。LINE公式アカウントのチャット画面で付けたタグやノートは管理画面側の機能なので、外部ツールを替えても残ります。一方、外部ツールで付けたタグや配信の履歴はそのツールに保存されています。契約前に、旧ツールから書き出せる項目と、新ツールが取り込める形式を、両方の会社に確認してください。

管理画面の友だち数と、ツールに入っている人数は一致しない

外部ツールが取得できる友だちの一覧には、ブロックした人やプロフィールの取得に同意していない人が入らないため、数が合いません。

Messaging APIのリファレンスによると、友だち全員のユーザーIDを取得するAPIを使えるのは認証済アカウントかプレミアムアカウントだけで、LINEのアカウントを削除した人、ブロックしている人、プロフィール情報の取得に同意していない人はリストに含まれません。同意していない人は、メッセージを送ってきても外部ツールにユーザーIDが届きません。管理画面の友だち数よりツール側の人数が少ないのは、この仕様によるものです。

送る量が増えると、通数の料金が効いてくる

絞り込んだ配信や自動配信も通数に数えられるため、配信を増やすほどLINE公式アカウントの料金に響きます。

CRMオプションのユーザーリスト配信も、ステップ配信も、公式マニュアルでは課金対象のメッセージです。1人に1通送れば1通、100人に送れば100通として、プランの枠から消費されます。枠を超えて追加で送れるのはスタンダードプランだけで、2026年10月1日からは追加メッセージの単価が、月20万通までは1通3円、20万通を超えた分は1通2.5円(税別)に変わります。自動配信は一度組むと送り続けるので、何通送る設計になっているかを月に1回は確かめておきます。Messaging API経由の配信の数え方はLINE Messaging APIの料金|課金されるのは4つのAPIだけで詳しく扱っています。

特定の人の属性を割り出す使い方は、規約で禁止されている

LINEの開発ガイドラインは、配信やオーディエンスの仕組みを使って特定のユーザーの属性を割り出す行為を禁止しています。

LINE公式アカウントの属性(性別・年齢・地域)は、LINEヤフーが推定したもので、統計として配信の絞り込みに使うためのものです。オーディエンスや絞り込み配信を細かく組み合わせて、ある1人の性別や年代を突き止めるような使い方は、開発ガイドラインで禁止されています。お客様について知りたい情報は、フォームで本人に聞くのが正しい順番です。API利用規約は、取得した情報を運用者以外の第三者に提供しないことも定めています。

LINE CRMの事例|数字が公開されている4件

公開されている事例ではリピート率や予約数の変化が数字で示されていますが、どれも各社が発表した自社の結果です。

業種・事業者 使ったもの 公開されている数字 掲載元(掲載日)
美容クリニック・東京美容医療クリニック Lステップ リピート率20%→80%。予約数は導入初期の50件程度から、運用半年後に170〜200件 Lステップ公式(2024年12月28日)
焼肉店・丹次郎(アクティブカンパニー) LINE公式アカウント+LINEミニアプリ リピーター率が2024年1月の19.4%から40%超へ LINEヤフー for Business(2025年3月5日)
化粧品小売・星の国商事 LINE公式アカウント+会員証・ポイント 年2回以上購入する会員の比率が30%→65%(特定の店舗) LINEヤフー for Business(2024年7月2日)
中古車販売・パレスオートセンター エルメ 導入から1ヶ月でLINE経由の予約86件(予約全体の約66%) ミショナの発表(2025年7月11日)
表5:数字が公開されているLINE CRMの事例(数字は各社の発表のまま。比べる期間や条件は揃っていない)

4件とも、使った道具も比べている期間も違うので、数字同士を並べて優劣を決めることはできません。自分の店で試すときに役に立つのは、それぞれの事例がどの数字を追いかけたかです。リピート率、予約数、年に2回以上来る人の割合のように、始める前に「どの数字が動いたら成功とするか」を1つ決め、導入前の値を控えておくと、効果があったかどうかを自分の数字で確かめられます。

予約・リマインド・顧客台帳を1つで回すなら|エールス

予約の受付からリマインド、顧客の記録までをLINEの中でまとめたいなら、予約一体型のエールスが選択肢になります。

エールスは、LINE公式アカウントにつないで使う予約・顧客管理のサービスです。LINEやLIFFからの予約・確認・キャンセル、Googleカレンダーとの双方向の同期、予約24時間前の自動リマインド、タグやセグメントを使った配信、友だちの顧客管理までを1つの管理画面で扱い、予約と会話の履歴がそのまま顧客の記録になります。CRMオプションでは組めない「予約をきっかけにした連絡」を、予約の仕組みの側で持てるのが、公式オプションとの違いです。前日の通知の設計はLINE予約リマインドの自動送信手順にまとめています。

料金は、Freeプランが月額0円(AI応答は月500対話まで・1テナント)、Proプランが月額10,000円(年払いなら100,000円)で、いずれも税別です。Proでは会話と予約の履歴をAIが9つの観点で分析します。リマインドなどでLINEから送るメッセージの通数は、お店のLINE公式アカウントの契約に沿って別にかかります。予約はすでに別の仕組みで受けていて、台帳とフォームだけ欲しい店であれば、先にCRMオプションを試すほうが合っています。詳しい条件はエールスの料金プランに掲載しています。

よくある質問

LINE CRMを始める前に確かめておきたい、補助金とほかの仕組みとの違いの2つに答えます。

Q. 顧客管理ツールは補助金の対象になりますか?

A. 「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧IT導入補助金)では、顧客管理ツールは業務プロセスの「共P-01 顧客対応・販売支援」にあたり、通常枠の対象になります。通常枠の補助率は原則1/2以内です。通常枠の5次締切は2026年9月29日17時です。申請できるかどうかは、公募要領と、導入するツールの提供会社に確認してください。

Q. LINE CRMと、SFA・MAは何が違いますか?

A. 見ている対象が違います。CRMは既存のお客様との関係を、SFAは営業担当の商談の進み具合を、MAはまだ買っていない見込み客への働きかけを管理します。LINE CRMは、このうちCRMを、LINE公式アカウントの中で行うやり方です。3つの違いはCRMとは?意味とSFA・MAとの違いをわかりやすく図解で図にしています。

まとめ

LINE CRMは、無料のタグとノートから始めて、上限に当たったところで公式オプションか外部ツールへ広げる順で考えます。

友だち追加だけでは、事業者に見えるのは表示名とユーザーIDです。名前や連絡先は、フォームや予約で本人に入れてもらった分だけ台帳に入ります。無料の標準機能では、作れるタグが5個・1人に1個、ノートが1件、トーク履歴が半年という上限の中で記録を持ちます。2026年6月に始まったCRMオプションは、月5,000円(税別)で台帳・フォーム・自動配信が揃いますが、友だち数10万人以上のアカウントやチャットPro・Beautyオプションとの同時契約では使えず、来店や予約をきっかけにした自動配信も組めません。

次にやることは3つです。表2で、自分のアカウントがどの上限で止まっているかを確かめる。図解1で、足りない部分を埋めるのがどのタイプかを決める。そして導入前に、記録する項目・名乗ってもらう場所・見られる人の3つを書き出す。この順で進めると、ツールを入れる前に台帳の形が決まります。

参考情報

まずはLINEで、AI応答を体験。

友だち追加すると、YellsのAI応答をその場で体験できます。導入のご相談もお気軽にどうぞ。

LINEで試す